瀬戸内海の漁師の続き。

GAEが出た時、

「スケールするつってもそんな大量のアクセスこないしなぁ。月100万PVぐらいまでならさくらの7800円(専用サーバー)で行けるんじゃないのかな?」

なんて思ってた。そんな風に考えてて触ってすらなかった。花京院風に言えばコチコチのクソ石頭の持ち主だった。ところが一年半近く遅れて最近触ってみたところ、なんかスゲー簡単だし、ほとんどのWebサイトは無料で行けるぐらい無料ゾーンが広い。

どうやらGoogle様の意図は俺の思ってたのとは違うらしい。

高性能な分散環境にばかり注目していたが、GAEはある意味、"無料サーバー"なのだ。GAEには"0円"から"格安専用サーバー1台程度"までを全てリプレイスできちゃうような無料レンタルサーバーサービスという側面がある。"WordPressが動く広告も無い無料レンタルサーバー"があったらみんな使うだろう?MySQLとSQLiteの区別が付かない人がWordPressとPython製のGAE対応CMSの違いを気にするだろうか?

前提知識をゼロとすると、FTPと会社毎に違うコンパネ画面を使うよりGAEの方がよっぽど簡単じゃない?GAE上のオープンソースソフトに中国製が多い気がするんだけど、その辺りにメリットを感じてるんじゃないのかな。GAEは激安(無料)、超高品質(安定+無限にスケール)、簡単。安い・美味い・速いを冗談じゃなくて提供してる。

Google様は"際限なくスケールする必要のある大手サービス"だけでなく、儲からない"個人・中小企業のサイトや小さいサービス"も全てGAE上に乗せようとしている。何故そんなことをするんだろうか。(Amazon EC2はロリポユーザーをターゲットにしてないでしょ?)

"大手と個人・中小を全部カバーする"

要はmixiとアメブロとさくらとロリポのインフラがGAEになったら殆どのユーザーはGoogleにアクセスしてることになる。

何が起こるかっつーと、Googleはクロールとかまどろっこしいことしないでも自分とこのデータを解析すれば格段に高品質の検索サービスや広告配信サービスを提供できるようになる。

殆どのサイトがGoogle上にあったら他の検索エンジン勝てるわけないよねぇ・・・。同じ事やろうったってソフトはできても世界一安価なデータセンターはすぐには真似できない。出たばっかのころのGoogle Appsを会社のメインに導入するのって結構チャレンジャーって感じだったけど、今やITベンチャーでは使わないところには特別な理由が必要な感すらある。そんなノリで会社のページをGAE上に作るのに何の抵抗も無いって状態すぐに来そうじゃない?だって無料なんだし。

GmailとかGoogle Appsって何であんなにふとっぱらに使わせてくれるのかなとか思ってたけど、"ネット上の全サイトGoogle移行計画"の途中で出来た単なる副産物だったとしたら恐ろしいよねぇ。(そこまで最初っから決まってたとは思わないけど、80%ルールで、頭良い人ばっかりの会社で延々とプレゼン大会状態が何年か続いたら自然とそんな野望が出てきそうな気はするw)

「グループウェアだけじゃなく、会社のウェブサイトも無料でできちゃうのかー、そりゃいいね!」

って感じで大体の人には良いお話だと思う。しかし、プログラマーの俺としては困る部分もある。

つづく・・・

関連:

Comments


Option