「要領が悪く、無能な人間に見られたくない。」
というのを自分が心底思っていて、それゆえに「忙しい」という発言に抵抗があるのかと思うと我ながら結構恥ずかしい。
ホントに、
「金が欲しい」
とか、
「モテたい!っていうかもっと言うと老若男女にチヤホヤされたい!」
とかは全然言えるんですが、
「忙しい」
というのはもう単純に生理的嫌悪感になっていて一回でも口に出すのもはばかられる感じでした。
5年前にはこんなエントリーを書いてることからも症状は深刻です。
「無能に見られたくない」
というのはもっとプリミティブに分解すると、
「理性的でありたい」「知的でありたい」
というロジックが幅効かせてる業界(コミュニティー)の人の共通の欲求であり、絶対善(=カッコいい)みたいなところがあるのかなと思います。ちょっとそれは柔軟じゃないというか、自由じゃないなと思ったのでチャンスがあったら「忙しい」って言ってみようと思ってました。
この間、仕事の都合で美容室の予約を当日にキャンセルしてずらしてもらいました。もちろん美容師さんはコミュニケーション能力が高いので、
「仕事忙しいんですか〜?」
とか聞いてきますわな。今までだと、
「ぼちぼちですねー」とか「そうでもないですねー」
とか言ってました。今考えると、いやそこは話しの掴みとしてもってこいな話題で、そう答えたら話し続かなくて相手も困るだろう。と思うんですが、「忙しい」が放送禁止用語かっつーぐらいの鬼回避を見せてました。しかし、今日の俺は今までの俺じゃない!予約一回キャンセルしてるんだしここで言わずしてどこで言う?
I can fly! ミζ゜
「そうですね〜、ちょっと忙しいですね〜。」
・・・・・・・・・。
俺がこんな覚悟で回答したことなどもちろん美容師さんは知る由も無く、以前よりも自然な会話になりました。
出てきた後、少し気持ちが軽くなった気がしました。
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