情報処理推進機構:プレス発表:記事:「2010年度日本OSS貢献者賞・日本OSS奨励賞」受賞者を選定
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、このたび、優れたオープンソースソフトウェア(OSS)の開発及び普及に貢献した個人等を表彰する「2010年度日本OSS貢献者賞」および「2010年度日本OSS奨励賞」の受賞者を選定しました。
今回発表された日本OSS貢献者賞2010に日本語プログラミング言語なでしこの作者、酒徳 峰章さんが受賞されていました。おめでとうございます。
以前、尊敬するエンジニアは誰?と聞かれたときに、DHHですかねー?などと適当に答えてしまったんですが、本当は酒徳さんだなあーと。
どれが良い悪いではなく、プログラマーを
- 0を1にするのが得意な人
- 1を10にするのが得意な人
- 10を100にするのが得意な人
の3つに分けるとしたら酒徳さんは0を1にするタイプの人だなあと思っていました。
酒徳さんを初めて見たのは確かオープンソースカンファレンス2005だか2006で、なでしこの発表をされている時でした。その頃僕はプログラマーというと早口で捲し立てる完璧主義者というイメージを持っていたので、(プログラマーにもこんなにゆっくりしゃべってくれる優しそうな人がいるのか)と驚いたことを覚えています。
その後ウノウで働く中で数回ペアプロやったり、酒徳さんの活動をウォッチしてたんですが、とてもユニークな人で、僕もこういう風になりたいなと思うようになりました。(社内で聞こえてきた会話の断片などを元に記憶を掘り起こしているので事実と違うところをがあるかもしれません。)
プログラミングが半端じゃなく好き
ウノウで開発合宿をしたとき、WindowsのGUIアプリを誰か(ココイチさんかな?)が作っていて、「よくあるこういう処理ってどうすればいいんでしたっけ?」と聞いたときに酒徳さんが「それならいいのがありますよ」といって取り出した自作ライブラリの名前が"BenriUtil"。「BenriUtilっていい名前ですね!」というと「これ、便利なんですよ・・・」と言っていました。
また別の時は、「女子高生にプログラミングをしてもらうには携帯しかない!」と言って、FlashLiteのプログラムを良く知るためにActionScriptを始めていました。(Web開発環境"葵")
「Delphi好きの我々にとっては馴染み易いですね」(変数宣言の名前と型の順番が同じ)と言って勉強のために作ってたのがHello, Worldではなく、1マス1マスが人の形の画像を使ったライフゲーム。
僕自身も、上手い下手は兎も角、(ご飯が食えて、死ぬまでプログラミングが出来ればそれでいいや・・・)と考えてるクチなんですが、それでも酒徳さんよりプログラミングが好きか、楽しんでやっているかと問われると自信がありません・・・。
極端な成果物指向
元々、酒徳さんが"日本語プログラミング言語ひまわり"を作ったのは会社のアルバイトの人の業務自動化のためだそうです。
ウノウでCTOの尾藤さんがペアプロの時に、酒徳さんがプログラミング言語やコンパイラを作るときには普通必ず使うであろう技術やツールを知らないことに驚いていました。「今までどうやっていくつも言語を作ってきたんですか?」って。
酒徳さんはというと「おお、こんな便利な物があったんですね!これは凄いですね!」と言っていました。
しかし、その後、周りの人に聞いたり、定番の書籍(ドラゴンブック等)を読んであっという間に習得していました。
「これで次からはプログラミング言語がもっと楽に作れる!」とか言ってました。
成果物指向かつ楽しんでやりたい
0を1にするには極端に独善的である必要があります。しかし、酒徳さんはそういった欲望を他人に迷惑の掛からない自分のソフトウェアのコードの中だけで爆発させているように見えます。
僕自身は上記3種類でいったら1を10にするタイプかなあ・・・と思っているので直接的には真似出来ませんが、常々、酒徳さんをリスペクトしている次第です。