尾籠な話で恐縮だが……これが、その日記の書き出しだった。自分のために書き自分だけが読む日記の中で、この文章はどう考えても突飛だ。書き手はいったい、誰に対して恐縮しているのだろう。しかし、あの三島由紀夫の自意識と、「尾籠な話で恐縮だが」は、実によく似合っている。いや、むしろこの感覚こそが、三島由紀夫世界のまん真ん中かもしれない……そう思うと、この日記の書き出しは貴重な一行のような気さえしたものだった。〉
ああ、凄くその「日記篇」が読みたくなった。
尾籠な話で恐縮だが……これが、その日記の書き出しだった。自分のために書き自分だけが読む日記の中で、この文章はどう考えても突飛だ。書き手はいったい、誰に対して恐縮しているのだろう。しかし、あの三島由紀夫の自意識と、「尾籠な話で恐縮だが」は、実によく似合っている。いや、むしろこの感覚こそが、三島由紀夫世界のまん真ん中かもしれない……そう思うと、この日記の書き出しは貴重な一行のような気さえしたものだった。〉
ああ、凄くその「日記篇」が読みたくなった。