また,これはある程度予想できたことだが,やはり本作は“操縦型”に軸足を置いている印象だ。それはチュートリアルにも現れており,シナリオモードではまず“操縦型”,つまりプレイヤーがリアルタイムでOKEを操作するタイプの解説が行われる。
とりあえず昨日・今日と遊んだざっくりとした感想。ちなみに俺は初代とZEUSの途中までしかやってないので操作性の進化など「前作からあったよ」という点にもイチイチびっくりしたことは言っておきたい。
まず、チュートリアルが凄まじい。殆ど新しいプログラミング環境を覚えるのと同じ量の学習が必要なこのシリーズはまともにチュートリアルを作るとハンパない量になってしまう。(初代の投げっぱなし振りを見よ)
ところが、ストーリーに「家庭教師にロボットのプログラムを習う」というのが含まれてるのでストーリーを進めながら異常な程親切なチュートリアルが進む。これは見習いたい。ソーシャルアプリはかなり遊びながら覚えられるような作りになっているが、流石にここまで徹底的に超長いチュートリアルを飽きさせず作っている本作にはかなわない。
初代から裏技など、何らかの形でユーザーが直接ロボットを操作する方法が提供されていたが、今作は実にカルネージハートらしい方法でユーザー操作を取り入れている。
プログラミング的に言えば、「キーイベントが取れるようになった」と言えばわかりやすいと思う。(アナログパッドのX軸Y軸の値も取れるなどかなり本格的)
「十字キー右を押すと右に移動する」
という動作を実現するには、
- キー入力を受け付けるポイントを設定する。
- キーの状態(平たく言えばkeydown, keyup, keypressなど)によってif条件が設定できる。
- 上記条件を満たした場合だけ右に移動するチップを置く。
もちろん、上下左右、左右旋回、武装選択、攻撃などが予めよくあるキーに割り振られたプログラムもプリセットで存在する。しかしそれも単に自分でも作れる物の模範解答でしかなく、それを元に細かくカスタマイズをすることができる。
チュートリアルで関心したのが、まず上記のような"操縦型"のプログラミングを習い、プログラミングに慣れ、課題で敵を倒す爽快感を味合わせた上で、「じゃあ今度は今やったのを全自動で処理するロボットを作ってみましょう」という流れになるところだ。
例えば、敵と自機の間に障害物がある場合、操縦型なら単に目視して回りこめばいいだけだが、自律型の場合は"敵の追跡"と"障害物の回避"という部分を完全自動化する必要がある。
しかも面白いのが、基本的にロボットは3対3で戦うのだが、プレイヤーは一人しかいないのだからもちろん操縦型は1機しか操縦することができない。残りの2機は必ず自律型をプログラミングする必要があるというところだ。
操縦型もカルネージハートは可能な操作があまりに多いので(武装が5種類、オプションが3種類、移動方法も通常移動、旋回、緊急移動にジャンプ。更に機体ごとの特殊動作が2種類などある)人間の操作で全てをコントロールするのはウメハラじゃないと無理がある。そこで「◯ボタンを押したら、前方90度の範囲で一番近い的に武装1を4発発射する」などマクロの様に操作を補う形でプログラムすることができる。まだやったことは無いが、後ろ方向の50m以内に格闘体制に入っている敵がいたら全ての処理を中段して自動的に前にジャンプするなどといったプログラムも可能だろう。
また、初代ではやはりある程度後半で手に入る機体や武装の方が強いという感じだったのが最新作では機体だけでも37種類もあるのに、それぞれが一長一短(オールラウンダーもそれ固有の弱点がある)で、スペックだけでは分からない使い勝手などもあり、面白い。
まだプログラマーになってもいなかった初代発売時(1995年)と比べると確かに、「無制限の環境でプログラミングしたい」と思わないでもないが、制限があるからこその固有の面白さがある。
PSPがあれば簡単にダウンロード購入できるのでプログラマーの人もそうでない人も是非やってみて欲しいと思う。